台湾旅行で「一度は食べてほしい」と思う料理のひとつが、**牛肉麺(牛肉麵/ニュウロウミエン)**です。
大きく切られた牛肉、牛肉の旨味が溶け込んだスープ、そして食べ応えのある麺。
見た目だけなら日本のラーメンにも少し似ていますが、実際に食べてみるとかなり違います。
そして牛肉麺の面白いところが、同じ「牛肉麺」という名前でも、お店によって味が大きく違うこと。
醤油や豆板醤などを使った濃い色の「紅燒(紅焼)」もあれば、澄んだスープを楽しむ「清燉」もあります。
麺も細いものから幅広のものまであり、牛肉の部位や煮込み方、香辛料の使い方も店によってさまざまです。
私は台湾にルーツがあり、これまで台湾を訪れる中で、劉山東牛肉麵、建宏牛肉麵、富宏牛肉麵など、さまざまな牛肉麺店を実際に訪れてきました。
この記事では、初めて台湾へ行く人にも分かりやすいように、
- 台湾の牛肉麺とはどんな料理なのか
- 牛肉麺が台湾で発展した背景
- 紅燒と清燉は何が違うのか
- 初めて食べるならどちらがおすすめなのか
- 日本のラーメンとは何が違うのか
- 牛肉麺の注文方法
- 台北で牛肉麺を食べるなら知っておきたい代表的なお店
まで紹介します。
台湾旅行で牛肉麺を食べてみたい方は、ぜひ参考にしてください。
牛肉麺以外にも、小籠包や魯肉飯、豆花など台湾には初めての旅行で食べてほしい料理がたくさんあります。台湾旅行で「何を食べればいい?」と迷っている方は、**「初めての台湾旅行で何を食べる?台北で外さない台湾グルメ10選」**もあわせてご覧ください。
台湾 牛肉麺とは?現地で親しまれる定番グルメ
牛肉麺とは、その名前の通り、牛肉を使ったスープと麺を組み合わせた麺料理です。
台湾では非常に身近な料理で、専門店はもちろん、街中の食堂などでも見かけます。
台湾交通部観光署も牛肉麺を台湾を代表する庶民の味として紹介しています。
ただし、「台湾の牛肉麺はこういう味」と一言で説明するのは難しい料理でもあります。
スープだけでも大きく、
紅燒牛肉麵
清燉牛肉麵
などがあり、さらに店ごとにスープの作り方、香辛料、牛肉、麺が違います。
実際に何軒か食べてみると、
「濃いスープの方が好き」
「清燉の方が牛肉の旨味を感じられて好き」
「太くてモチモチした麺が好き」
など、自分の好みが少しずつ分かってきます。
牛肉麺は「一度食べたら終わり」ではなく、店を変えて食べ比べること自体が楽しい台湾グルメだと思います。
台湾の牛肉麺はどのように生まれた?
牛肉麺について調べてみると、台湾の歴史とも深く関係していることが分かります。
台湾交通部観光署によると、現在の台湾式牛肉麺は、1949年以降に台湾へ渡った人々の食文化を背景に発展したとされています。特に豆板醤などを使って牛肉を煮込み、麺と合わせる紅燒牛肉麵は、台湾で独自に発展したスタイルとして紹介されています。
特に興味深いのが「紅燒牛肉麵」です。
豆板醤を炒め、牛肉、水、その他の食材を加えて牛肉スープを作る料理には四川料理との共通点があります。
しかし、そこへ麺を加えて「紅燒牛肉麵」とするスタイルについて、台湾交通部観光署は台湾独自の作り方と説明しています。
つまり台湾の牛肉麺は、中国大陸から渡ってきた食文化が台湾で融合し、独自に発展していった料理のひとつと考えることができます。
台湾グルメというと「おいしいかどうか」に注目しがちですが、こうした歴史を少し知ってから食べてみると、また違った楽しみ方ができます。
牛肉麺の代表格「紅燒牛肉麵」とは?
初めて台湾で牛肉麺を注文するときに、まず覚えておきたいのが、
紅燒牛肉麵(紅焼牛肉麺)
です。
紅燒牛肉麵は、醤油や豆板醤などを使った、比較的色の濃いスープが特徴です。
台湾交通部観光署では、ピリ辛の豆板醤を炒めた後、牛肉や水などを加えて煮込み、そこへ麺を合わせる料理として紹介しています。
ただし、同じ紅燒でも味は店によってかなり違います。
辛味を感じるものもあれば、そこまで辛くないものもあります。
香辛料をしっかり感じるスープもあれば、牛肉の旨味を前面に出したスープもあります。
そのため、
「紅燒=辛い牛肉麺」
と単純に考えない方がいいでしょう。
個人的には、初めて台湾で牛肉麺を食べるなら、まず紅燒を選んでみるのもおすすめです。
色の濃いスープ、大きな牛肉、麺という組み合わせは、台湾の牛肉麺らしさを感じやすいと思います。
「清燉牛肉麵」は何が違う?
もうひとつ覚えておきたいのが、
清燉牛肉麵
です。
紅燒が色の濃いスープなのに対して、清燉は比較的澄んだ色のスープが特徴です。
台湾交通部観光署も、台湾の牛肉麺について「紅焼」と「清燉」の2種類を紹介しています。
見た目だけなら、
「清燉は味が薄そう」
と思うかもしれません。
しかし、あっさりした見た目だからといって、単純に味が薄いわけではありません。
牛肉やスープそのものの旨味を感じやすく、紅燒とはまた違った魅力があります。
濃い味や強い香辛料があまり得意ではない人なら、清燉から試してみるのも選択肢です。
紅燒と清燉、初めてならどちらがおすすめ?
これは完全に好みです。
迷ったら、次のように考えると選びやすいと思います。
濃いめの味、醤油系の味、香辛料が好き
→ 紅燒牛肉麵
比較的あっさりしたスープ、牛肉そのものの旨味を楽しみたい
→ 清燉牛肉麵
そして、可能なら台湾旅行中に両方食べてみてください。
同じ「牛肉麺」という料理でも、かなり印象が違います。
1回目は紅燒。
別の日に清燉。
このように食べ比べてみると、自分が好きな牛肉麺のタイプが分かってきます。
台湾の牛肉麺と日本のラーメンは何が違う?
日本人が牛肉麺を見ると、
「台湾版ラーメンみたいなもの?」
と思うかもしれません。
確かに、
スープ+麺+肉
という基本的な構成は似ています。
しかし、実際に食べると印象はかなり違います。
日本のラーメンではチャーシューをトッピングするスタイルが一般的ですが、台湾の牛肉麺では、煮込んだ牛肉そのものが料理の主役のひとつです。
さらに麺も店によって特徴があります。
細めの麺もあれば、かなり太い麺や幅広の麺もあります。
例えば、現在もミシュランガイドのビブグルマンに掲載されている台北・西門町の「老山東牛肉家常麵店」は、牛骨と10種類の中華系ハーブを煮込んだスープと、幅広の手延べ麺を特徴として紹介されています。
牛肉だけではなく、
スープ × 麺 × 牛肉
の組み合わせで店ごとの違いを楽しむ。
これが台湾牛肉麺の面白さです。
牛肉麺が出てきたら、まずスープを飲んでみよう
牛肉麺店に行くと、テーブルに酸菜や辛味調味料などが置かれていることがあります。
ここで、最初から大量に入れるのは個人的にはおすすめしません。
まずは何も加えず、
スープを一口。
次に麺。
そして牛肉。
まず店が作った状態で食べてみてください。
その後で酸菜や辛味調味料などを加えると、味の変化も楽しめます。
特に複数のお店を食べ歩く場合、この食べ方をすると店ごとの違いが分かりやすくなります。
牛肉麺を注文するときに覚えておきたい中国語
中国語が話せなくても、台湾で牛肉麺を食べることはそれほど難しくありません。
最低限、次の文字を覚えておくと便利です。
牛肉麵
牛肉麺です。
「麵」は日本語の「麺」にあたります。
紅燒牛肉麵
色の濃い紅燒タイプの牛肉麺です。
清燉牛肉麵
比較的澄んだスープの牛肉麺です。
大/小
お店によってはサイズを選べます。
「大」は大サイズ、「小」は小サイズです。
メニューを指差して注文できるお店も多いため、中国語に自信がなくても必要以上に心配する必要はありません。
台北で牛肉麺を食べるなら「劉山東牛肉麵」も候補
ここまで読んで、
「実際に台北へ行ったら、どこで食べればいい?」
と思った人もいるでしょう。
台北には非常に多くの牛肉麺店がありますが、代表的な一軒として紹介したいのが、
です。
私自身も実際に訪れたことがあります。
場所は台北駅から徒歩圏。
住所は台北市中正區開封街一段14巷2號で、台北駅周辺の路地にあります。現在確認できる店舗情報では8:00~18:00営業とされていますが、営業時間・休業日は変更される可能性があるため、訪問前に最新情報を確認してください。
大通り沿いのきれいな大型レストランというより、
路地にある昔ながらの牛肉麺店
という雰囲気です。
こうしたお店に入って食べること自体が、台湾旅行の楽しみのひとつだと思います。
劉山東牛肉麵はミシュランでも評価された老舗
劉山東牛肉麵は、ミシュランガイド台北2018のビブグルマンに選出された実績があります。
2018年のミシュランガイドでは、台北のビブグルマン36軒のうち8軒が牛肉麺を専門とする店でした。牛肉麺が台北の食文化でどれほど大きな存在なのかが分かる数字です。
私が劉山東牛肉麵を紹介する理由
台北には、もっと新しい牛肉麺店もあります。
おしゃれなお店もあります。
それでも初めて台湾へ行く人に劉山東牛肉麵を紹介したい理由のひとつが、
「台湾で牛肉麺を食べる」という体験を楽しみやすいから。
台北駅から歩いて行ける場所にありながら、路地に入った昔ながらの店で牛肉麺を食べる。
観光地の大型レストランとはまた違った台湾を感じられます。
私は台湾グルメの記事を書くとき、「有名だから」という理由だけでおすすめするのではなく、できるだけ実際に自分が訪れた経験を大切にしています。
劉山東牛肉麵も、私自身が実際に訪れた牛肉麺店のひとつです。
今後は建宏牛肉麵、富宏牛肉麵など、実際に訪れた他の牛肉麺店についても個別に紹介していきたいと思います。
有名店だけでなく、街の牛肉麺店に入るのも面白い
台湾旅行では、
「ミシュラン掲載店へ行かなければ」
「Googleマップで評価の高い店を探さなければ」
と思ってしまうかもしれません。
もちろん、有名店を訪れるのも楽しいです。
しかし台湾の牛肉麺の魅力は、それだけではありません。
台湾交通部観光署が「台湾を代表する庶民の味」と紹介しているように、牛肉麺は街の中に根付いた料理です。
街を歩いていて、
「地元の人がたくさん入っているな」
と思った牛肉麺店へ入ってみる。
そんな食べ方もおすすめです。
有名店を一軒。
街で気になった店を一軒。
このように食べ比べてみると、台湾旅行がさらに面白くなります。
まとめ|台湾へ行ったら紅燒と清燉を食べ比べてみよう
牛肉麺は、台湾を代表する麺料理のひとつです。
しかし、一言で「牛肉麺」といっても、その味は一種類ではありません。
濃い色のスープを楽しむ紅燒牛肉麵。
比較的澄んだスープを楽しむ清燉牛肉麵。
さらに店によって麺の太さ、牛肉、香辛料、スープの作り方まで違います。
だからこそ、台湾旅行で一度食べて終わりではなく、ぜひ何軒か食べ比べてみてください。
初めてなら、
まず紅燒牛肉麵を一杯。
そして別の日に、
清燉牛肉麵を一杯。
それだけでも牛肉麺の印象が大きく変わると思います。
台北でどこへ行くか迷ったら、私自身も訪れた劉山東牛肉麵を候補にしてみてもいいでしょう。
そして慣れてきたら、有名店だけでなく、台湾の街を歩いていて気になった牛肉麺店にも入ってみてください。
台湾の牛肉麺は、食べ比べれば食べ比べるほど奥深さが分かってくる料理です。
YAN台湾研究所では、今後も実際に台湾を歩き、食べ、調べながら、台湾の食文化を紹介していきます。
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